子泣き爺(こなきじじい)
「子泣き爺」の特徴
赤ん坊の泣き声で人を呼び寄せる
子泣き爺は、深夜の山道や人気のない場所で赤ん坊のような泣き声をあげ、人を呼び寄せることがあります。その泣き声が人々に同情や不安を抱かせ、「赤ん坊が迷子になっているのかもしれない」と思わせるため、つい近づいてしまうことが多いとされています。
しかし、泣き声の主に近づくと、そこにいるのは赤ん坊の姿をした不気味な老人です。その見た目に違和感を感じるものの、既に取り憑かれてしまうことが多いのです。
抱き上げた途端に重さが増していく
子泣き爺の特徴的な能力は、抱き上げられると徐々に重さが増していくことです。最初は普通の赤ん坊のように軽い重さですが、徐々に何百キロもの重さに変わり、抱いている人は身動きが取れなくなってしまいます。
最終的にその重さに耐えきれず、地面に倒れてしまうことが多く、子泣き爺はその隙に逃げていくこともあれば、犠牲者に呪いを残して去ることもあるとされています。
人を圧迫し、命を奪う危険な妖怪
子泣き爺に取り憑かれてしまうと、その重さによって体が圧迫され、最悪の場合は命を落とす危険もあるとされています。抱きかかえることで重くなり、骨が折れたり、呼吸困難に陥るなど、苦しい思いをすることになるため、非常に危険な妖怪として恐れられています。
特に夜中の山道や人里離れた場所では、子泣き爺の姿を見かけても近づかないようにすることが推奨されています。
消えたかと思うと再び現れる
子泣き爺は、姿を消したかと思うと再び現れることもあり、一度遭遇すると逃れるのが難しいといわれています。目撃者がその場を離れたつもりでも、背後にふと立っていたり、再び泣き声をあげて気を引くなど、執念深く追いかけてくることもあります。
こうした特徴から、一度でも子泣き爺と関わると逃れることが難しい「粘着質な妖怪」として恐れられています。
赤ん坊と老人の不気味な融合
子泣き爺の見た目は、赤ん坊のように小さな体つきであるにもかかわらず、顔は老人そのものです。この「赤ん坊と老人が融合したような見た目」が非常に不気味で、人に不安感を与えます。
そのため、子泣き爺と出会った場合、最初は赤ん坊かと思って抱き上げても、顔を見ると老人であることに気づき、驚愕するという話が多く語られています。
「子泣き爺」にまつわる怖い話
体験談 1:「夜の山道での遭遇」
ある登山者が、日暮れが迫る山道で赤ん坊の泣き声を聞きつけました。辺りに誰もいないはずなのに泣き声が聞こえたため、心配になって探してみると、木陰に赤ん坊の姿が見えました。抱き上げようと近づいた瞬間、赤ん坊の顔が老人に変わり、しかも抱きかかえると徐々に重くなり始めました。
必死に逃げ出そうとしたものの、子泣き爺の重さに耐えきれず、地面に倒れ込んでしまった登山者はその後数日間、腕や肩の痛みに悩まされることになったと言います。それ以来、山道で泣き声を聞いたとしても決して近づかないようにしているそうです。
体験談 2:「帰り道での子泣き爺」
夜遅くに帰宅していた男性が、住宅街の人気のない通りで赤ん坊のような泣き声を耳にしました。あたりを見回しても誰もいないため、不思議に思って進むと、再び泣き声が聞こえ、目の前には赤ん坊のような老人が座っていました。
驚いた男性がその場を立ち去ろうとすると、子泣き爺が重さを増しながらついてきたため、逃げ出すこともできず、その後も悪夢に悩まされることになったといいます。
体験談 3:「林道での恐怖体験」
あるカップルが夜のドライブで林道を走行中、ふと赤ん坊の泣き声が車の中に響き渡りました。驚いて車を停めると、車の後部座席に小さな老人が現れていたのです。恐怖に駆られて慌てて車を発進させましたが、振り返るとその老人はすでに姿を消していました。
カップルは無事に家に戻りましたが、後日、彼らの車には何故か人間の手形が残されていたと言います。その後も夜になると子泣き爺の泣き声が聞こえ、恐怖からその車を手放すことにしたそうです。
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