日本の妖怪・幽霊

朱の盆(しゅのぼん)

「朱の盆(しゅのぼん)」は、日本の古い民間伝承や都市伝説の中で語り継がれる不気味な存在で、特に東北地方や北陸地方で有名です。朱色の顔を持つ奇怪な妖怪や霊として現れ、人に災厄や不運をもたらすとされています。「盆」という名前から、特にお盆の時期に現れると恐れられており、その時期に遭遇すると災いが続くとされています。

「朱の盆」の特徴

朱色の顔を持つ不気味な姿

朱の盆は、真っ赤な顔や朱色の体を持っているのが特徴で、遠目からでも異様な雰囲気を放っています。顔は人間のようですが、笑っているような表情のまま目だけがギラリと光っているため、見た人に強い不気味さと恐怖を感じさせます。
朱色は血や呪いを連想させるため、見た者には災厄が訪れるという噂が絶えません。

夜中やお盆の時期に出現する

朱の盆は、特に夜中やお盆の時期に現れるとされています。お盆の時期は祖先の霊が帰ってくると信じられており、朱の盆はそのような霊の行列に紛れて現れることが多いです。
お盆の行事が終わった後や、夜中に1人でいるときなど、心が緩んだ隙を狙って近づいてくると言われています。

不幸や不運をもたらす存在

朱の盆を見た人は、その後不幸や不運に見舞われることが多いとされています。たとえば、体調不良、怪我、事故、不眠、悪夢など、日常生活に支障をきたす出来事が次々と起こるとされ、特に「目を合わせてしまうと災厄が避けられない」と言われています。
そのため、朱の盆を見たら決して視線を合わせず、その場から立ち去るようにと言われています。

無言で近づき、気づくと消えている

朱の盆は無言でじっと人を見つめ、気づくとすぐそばに立っていることが多いです。特に、朱の盆の気配に気づかず、ふとした瞬間に姿を目にすると、不気味さが倍増します。
見つめるだけで何も話さず、しばらくすると消えてしまうことも多いため、「朱の盆に一度でも見られると取り憑かれる」との噂が広まりました。

夢の中にも現れる

朱の盆は現実だけでなく、夢の中にも現れるとされています。朱の盆を見た人はその夜から悪夢にうなされることが多く、夢の中で何度も朱の盆が現れて、逃げても追いかけてくるため、精神的に追い詰められることが多いです。
悪夢が続くうちに心身共に疲れ果ててしまうことがあり、「朱の盆に取り憑かれる」と言われる原因の一つとなっています。

「朱の盆」にまつわる怖い話

体験談 1:「夜道での遭遇」

ある夜、仕事帰りの男性が薄暗い道を歩いていると、ふと道の向こうに赤い人影が見えました。最初は人間かと思っていたものの、その赤い顔がこちらをじっと見つめていることに気づき、異様な不安に駆られました。慌てて視線を逸らし、立ち去ろうとしましたが、その後も背後にじっと視線を感じ続けたといいます。

それ以来、男性は頻繁に悪夢を見るようになり、赤い顔の朱の盆が夢の中で無言で現れては彼のそばに立ち、じっと見つめるだけの夢が続きました。次第に体調が悪化し、日常生活にも支障が出るようになり、最終的に神社でお祓いを受けることになったという話です。

体験談 2:「お盆の帰省中に現れた朱の盆」

お盆の帰省中、ある家族が夜中に部屋でくつろいでいると、庭先に人影が見えることに気づきました。最初は親戚か誰かが外にいるのかと思いましたが、赤い顔の不気味な存在がじっとこちらを見つめているのを見て、家族は恐怖で動けなくなりました。

翌朝、その赤い人影が消えていたものの、家族は体調不良や奇妙な頭痛に悩まされ、数日間も精神的な不安が続きました。地元の住民に話すと「それは朱の盆だろう」と言われ、近くの寺で供養をしてもらい、ようやく災いが収まったと言います。

体験談 3:「朱の盆が現れる夢」

一人暮らしをしている女性が、ある日から連続して悪夢を見るようになりました。夢の中で赤い顔の人物が現れ、じっと見つめながら少しずつ近づいてくるのです。どんなに逃げても朱の盆が追いかけてきて、目を覚ましても視線を感じ続けるほどの強烈な恐怖を感じました。

さらに、現実でも家の中で物音がするようになり、夜中に何者かの気配を感じるようになりました。恐怖に耐えられなくなった彼女は、お祓いをしてもらうことにしましたが、朱の盆の存在を思い出すたびに悪夢が蘇り、精神的に不安定な状態が続いたといいます。

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