見越し入道(みこしにゅうどう)
「見越し入道」の特徴
巨大な人影として現れる
見越し入道は、その名前の通り、入道(僧侶)や老人のような姿をしており、見上げるほどに大きい巨人として現れます。最初は普通の大きさで見えることもありますが、視線を合わせたり目を逸らしたりすると、どんどん背丈が伸びていき、恐ろしいほどの大きさに変化するのが特徴です。
特に、夜道や霧のかかった山道、川辺などで現れることが多く、突然目の前に現れるため、遭遇すると驚きと恐怖に包まれます。
目を逸らすとさらに巨大化する
見越し入道の特徴的な性質として「目を逸らすと大きくなる」というものがあります。相手が見越し入道から目を逸らすたびに、どんどん巨大化していくため、逃げようとするとさらに恐怖が増してしまいます。
このため、見越し入道に遭遇した場合、目を逸らさずにしっかりと見つめて対峙することが重要とされており、動揺しないようにするのが肝心です。
挑発的な言葉や奇妙な質問
見越し入道は道行く人に対して挑発的な言葉をかけたり、奇妙な質問をしたりすることが多いとされています。例えば、「どこへ行くのか」「お前は誰だ」といった問いかけをし、相手が答えようとするとさらに巨大化し、圧迫感を与えてきます。
この質問に対して無言でいることや、冷静に「見越した」と返すことが重要とされ、そうすることで見越し入道は満足して姿を消すと言われています。
不安や恐怖を感じると追ってくる
見越し入道は、相手が恐怖や不安を抱くとその感情に反応して、さらに追いかけてくる性質があるとされています。そのため、怖がれば怖がるほど巨大化し、逃げ場を失ったような圧倒的な恐怖感に支配されることになります。
逆に、動じずに冷静に振る舞うと、見越し入道は興味を失い、ふとした瞬間に姿を消すことが多いと言われています。
目撃者はその後、不吉な出来事に見舞われる
見越し入道に遭遇した人は、その後も不吉な出来事や災難に見舞われることが多いとされます。例えば、体調を崩したり、事故に遭ったり、周囲の人間関係が悪化するなど、精神的にも物理的にも良くない影響が続くことが多いと語られています。
特に、見越し入道から逃げ出した場合はより強い呪いにかかるといわれ、決して目を逸らしてはいけない存在として恐れられています。
「見越し入道」にまつわる怖い話
体験談 1:「深夜の山道で」
ある登山帰りの男性が深夜に山道を歩いていると、霧の中から突然巨大な人影が現れました。僧侶のような風貌をしたその影は、じっと男性を見つめ、「どこに行くのか」と尋ねてきました。驚きと恐怖から目を逸らした瞬間、その姿がさらに大きくなり、まるで山の上にそびえるかのような巨体に変化したのです。
必死に逃げようとした男性は、次第に視界がぼやけ、ついにはその場に気絶してしまいました。意識を取り戻したときには見越し入道の姿は消えていましたが、それ以来、彼の周囲では不運が続き、心霊的な現象にも悩まされることになったといいます。
体験談 2:「川辺の老人」
深夜、川沿いの道を歩いていた女性が、遠くに立っている老人の姿を見かけました。最初は小さく見えたその老人は、歩み寄るたびに少しずつ大きくなり、やがて人間とは思えない巨体になっていたといいます。その老人は女性に「帰るのか?」と問いかけましたが、女性は何も答えずに冷静に立ち去ろうとしました。
しかし、何度も振り返ってしまったことで、見越し入道はさらに巨大化し、追いかけてくるように感じられました。最終的に、女性は無言のまま目を逸らさずに立ち尽くすと、見越し入道は満足したかのように姿を消しましたが、家に戻ってからも数日間にわたり悪夢に悩まされたそうです。
体験談 3:「挑発的な質問」
ある男性が夜の路地で見越し入道に遭遇した際、「お前は誰だ?」と挑発的な質問を投げかけられました。男性が答えようとするたびに見越し入道は巨大化し、次第に逃げ場を塞ぐかのようにその場を支配していきました。恐怖で動けなくなった男性は、とうとう「見越した」と答えると、見越し入道は不満げに消えていったといいます。
その後、男性は原因不明の体調不良や怪我に悩まされるようになり、見越し入道に対する恐怖がいまだに拭えないと語っています。
本サイトに掲載されているすべての内容の著作権は運営者に帰属しております。
本サイトの掲載内容(画像、文章等)の一部及び全てについて、無断で複製、転載、転用、改変等の二次利用を固く禁じます。 上記著作権の無断複製、転載、転用、改変等が判明した場合は、法的措置をとる場合がございます。