日本の妖怪・幽霊

影女(かげおんな)

「影女」は、鏡や窓ガラスに突然現れる女性の霊です。影女はじっと人を見つめており、気づかないふりをすると消えると言われていますが、彼女を長く見続けてしまうと命の危険が及ぶともされています。

「影女」の特徴と噂

人影のような女性のシルエット

影女は、黒い影として現れる女性の姿をしていますが、顔や体の細部は見えません。輪郭だけがぼんやりと浮かんでいるだけで、まるで影が独り歩きしているかのような不気味な印象を与えます。
特に長い髪が特徴的で、その髪が揺れるように見えることもありますが、他の細部は不明瞭で、常に暗闇と同化しているように見えます。

後ろをつけてくる気配

影女は、後ろから人をつけてくるという特徴を持っており、深夜の帰り道や人気のない場所で、ふとした瞬間に背後に気配を感じることが多いとされています。振り向くとそこに影女が立っており、じっと見つめているような気配を感じることがあります。
また、彼女に気づかず歩き続けると、一定の距離を保ちながらついてくることもあり、その気配が徐々に近づくことで恐怖感が増幅します。

姿を消したかと思うと再び現れる

影女は一度視界から消えたかと思うと、突然別の場所に現れることが多く、しつこく追いかけてくる性質を持っています。たとえば角を曲がった先にいたり、視線を外した瞬間に別の場所に移動していることがあるため、逃げようとしてもなかなか逃れられないと恐れられています。
一度影女に取り憑かれると、しばらくはその影が自宅や仕事場、電車の中などあらゆる場所に現れることがあると噂されています。

「姿が変わる」という噂も

影女の姿は、時には女性の影から異様に大きな影や、輪郭のぼやけた形に変わることもあると言われています。この変わり方は、影女が怒りや興味を持つほど異形になると考えられ、時には影が歪んで大きな口や目が現れることもあると言われています。
こうした姿の変化が、より不気味さを増し、人を圧迫するような恐怖を与えるとされています。

出会うと不運や災いが続く

影女に遭遇すると、その後しばらく不運が続く、あるいは事故や体調不良に見舞われると恐れられています。特に影女の姿を何度も見てしまったり、夢に出てくるようになると、その影響はさらに強まるとされています。
そのため、影女を目撃してしまった場合は、なるべくその場を離れたり、明るい場所に向かうなどして対策を取ることが勧められています。

「影女」にまつわる怖い話

体験談 1:「帰り道の影」

ある男性が夜道を歩いていたところ、ふと背後に人の気配を感じて振り向きました。すると、遠くに長い髪を持つ黒い影の女性が立っており、こちらをじっと見ているように感じました。不気味に思い再び前を向いて歩き出しましたが、しばらくすると再び背後から視線を感じ、振り向くとまた同じ影が少し距離を詰めて立っていたといいます。

恐怖を感じた彼は急いで家に帰りましたが、それ以来、毎晩夢の中で影女が現れ、近づいてくる悪夢にうなされるようになったそうです。最終的にお祓いを受けるまでその影が夢に出続け、不安な日々が続いたといいます。

体験談 2:「駅のホームでの不気味な影」

ある女性が深夜の駅で電車を待っていたとき、反対側のホームに黒い影が立っているのに気づきました。周りには誰もいない時間帯だったため不審に思って見つめていると、その影が少しずつこちらを向いてきたように感じました。

驚いて目を逸らした女性が再び影の方を見たときには影は消えていましたが、帰り道でも何度も同じ影が視界の端に現れるようになり、家に帰り着くまで恐怖に襲われ続けたといいます。それ以来、彼女は深夜の駅を利用するのが怖くなったと話しています。

体験談 3:「エレベーターの中の影女」

あるマンションの住人が深夜にエレベーターに乗ったところ、エレベーターの反対側に黒い影が現れ、自分をじっと見つめているのに気づきました。エレベーターは暗かったため最初は気のせいかと思いましたが、影は動かず、じわじわと彼に近づいてくるのが分かりました。

エレベーターが止まると影は消えましたが、それ以降、彼は自宅でも視界の端に黒い影を感じるようになり、夜が怖くなってしまったといいます。最終的には引っ越すことで影女の気配は消えましたが、今でも夜のエレベーターに乗るのが怖いと話しています。

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