赤舌(あかした)
「赤舌」の特徴
異様に長い赤い舌
赤舌の最も特徴的な部分は、その異様に長い真っ赤な舌です。人間の倍以上の長さで、赤く光るように見えることもあり、不気味な印象を与えます。赤舌は、この舌を見せびらかすように出しながら人を威嚇したり、舌を垂らして血のような液体を流したりすることがあります。
暗闇に突然現れるその赤い舌は、逃げ場のない恐怖感を増幅させ、視界に赤いものが入ると「赤舌がいるのではないか」と恐れる人もいます。
人間の姿に変化できる
赤舌は、しばしば人間の姿に化けて現れることがあると言われています。見知らぬ旅人や山道を歩く者に親切そうに話しかけたり、道を案内するふりをしながら徐々に正体を現すというパターンが多く見られます。親切な人に見えても、ふとした瞬間に赤い舌が覗くことでその正体がばれることがあります。
逆に、気づかずにそのまま道案内に従ってしまうと、異界に連れ込まれる、帰れなくなるといった危険にさらされるとされています。
道端や橋の下で突然現れる
赤舌は、特に夜の道端や山道、橋の下などで突如姿を現すことが多いとされます。夜の闇に紛れているため、最初は気配を感じられず、赤い舌が目の前に現れてから気づくケースが多く、恐怖が倍増します。
また、橋の下で赤舌に出会った場合は、必ずその場を離れることが勧められ、立ち去らないと追いかけられるとされています。
執拗に追いかけてくる
赤舌は一度目をつけた相手を執拗に追いかける性質を持つとされています。気づかずに通り過ぎようとすると、背後からつけられ、次第に距離を詰めてくるため、振り返ると赤舌がすぐ背後にいるといった恐ろしい体験が報告されています。
特に、振り返って赤舌と目を合わせてしまうと、さらに距離が近づき、逃げ出すのが困難になるといわれています。
関わると不運や病に見舞われる
赤舌に遭遇した人は、その後、奇妙な病にかかったり、不運が続くことがあるとされています。具体的には、体調不良、事故、人間関係のトラブルなどが続き、徐々に生活が崩壊していくと言われています。
そのため、赤舌は単なる妖怪としてだけでなく、「災厄を運ぶ存在」としても恐れられ、無視すること、近づかないことが最も安全とされています。
「赤舌」にまつわる怖い話
体験談 1:「山道の道案内」
ある登山者が、山中で道に迷った際に赤舌に遭遇しました。その時はまだ人間の姿をしており、道案内を申し出てくれたので彼も安心して従いました。しかし、しばらく歩くと背後から「ペロリ」と音が聞こえ、振り向くと案内人が赤い舌を垂らしていたのです。
驚いた登山者が逃げ出そうとしたところ、道がわからなくなり、結局山中を彷徨うことになりました。なんとか下山できたものの、それ以来、奇妙な病気に悩まされ、夢の中でも赤い舌が現れるようになったといいます。
体験談 2:「夜の橋の下で」
深夜に友人とドライブしていた若者たちが、車を停めて橋の下で休憩していたところ、赤い舌を垂らした奇妙な影が現れました。冗談だと思い、友人たちが近づくと、その舌がどんどん伸びてきて、彼らに触れる寸前で慌てて車に戻りました。
車を出して逃げ出しましたが、その後も彼らの周囲で怪奇現象が続き、友人の一人が事故に遭うなど、不運が続いたため「赤舌に呪われた」と噂されました。
体験談 3:「親切な案内人の正体」
ある女性が夜道を歩いていると、親切そうな人に「近道を教えてあげる」と声をかけられ、案内を頼ることにしました。歩いている最中、ふと話しかけた際に案内人が振り返ったところ、口元から長い赤い舌が覗き、笑いながら舌を出して見せたのです。
恐怖で一目散に逃げた彼女でしたが、その後、体調不良や人間関係のトラブルに悩まされ、「赤舌の呪いが続いている」と感じるようになったといいます。
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