一反木綿(いったんもめん)
「一反木綿」の特徴と噂
布のような見た目で宙を漂う
一反木綿は、長い布や木綿のような姿をしており、ふわふわと空中を飛ぶ様子が特徴です。夜の空を滑るように移動することが多く、目撃者には布そのものが飛んでいるように見えることから「飛ぶ布」として不気味がられています。
その長さは「一反(約11メートル)」に相当し、空を滑るように漂うさまが不気味で、特に暗闇で突然現れるため驚かれることが多いです。
人間に巻き付き、窒息させる
一反木綿は、人間に巻きつくことで害を与えるとされています。特に首や顔に巻きつくことで息苦しくさせたり、驚いた人が転倒するなどの危険を招くと恐れられています。
一部の伝承では、巻きつかれた人はそのまま連れ去られるとも言われ、危険な存在としても恐れられています。
夜道や山中に現れる
一反木綿は特に夜道や山中、人気のない場所で出没するとされ、ふとした瞬間に空を滑るように現れることが多いです。深夜に山道を歩く人が突然白い布のようなものに遭遇し、恐怖で動けなくなったという話が伝えられています。
また、天候が悪い時や霧が立ち込めた夜に現れることが多いとされ、その場に留まると巻きつかれるとされているため、出会ったらすぐに離れることが勧められています。
「動きが素早い」
一反木綿は飛行速度が非常に速く、人間が逃げようとしてもあっという間に追いつかれると言われています。特に逃げる人の背後から襲いかかることが多く、ふわりとした見た目とは裏腹に、非常に機敏な動きであるため、一度見つかると逃げ切るのが難しいとされています。
このため、追いかけられた場合は頭を低くする、道から外れるなどして巻きつかれないように注意するようにと伝えられています。
迷信的な対策
一反木綿から身を守るためには、白い布を持たないことや、木綿のような白いものを身につけないことが一部で信じられています。布状の物に反応しやすいと考えられているため、白いものを避けることで一反木綿を引き寄せないようにするのが良いとされています。
また、地方によっては「見つめ続けることで逆に消える」と言われ、怖がらずに目を逸らさずに見ることで回避できるともされています。
「一反木綿」にまつわる怖い話
体験談 1:「山道での遭遇」
ある男性が夜中に山道を歩いていると、突然白い布のようなものが上から降りてくるのに気づきました。ふわふわと漂う布は男性のすぐ目の前で立ち止まり、まるで生き物のようにうねうねと動き始めたといいます。驚いた男性は急いでその場を離れようとしましたが、一反木綿が彼の後をつけるように空を滑り、最終的に巻きつかれそうになったため全力で走って逃げ切ったそうです。
男性はその後も悪夢にうなされるようになり、しばらくは夜の山道を通ることができなくなったといいます。
体験談 2:「霧の中での遭遇」
ある村の住人が霧の立ち込める夜に帰宅途中、ふわりと漂う白い布が現れたのを見ました。最初は風に吹かれた布が飛んでいるだけだと思っていましたが、よく見ると布は人の周りをぐるぐると飛び回り、少しずつ距離を詰めてきました。
その住人は不気味に思い、霧の中を逃げ出しましたが、布はしばらくの間追いかけてきたため、恐怖を感じたといいます。この話は村で広まり、霧の日には夜道を避けるよう注意喚起されるようになりました。
体験談 3:「白い布に巻き付かれた夢」
ある若者が、夜道で一反木綿に巻き付かれる夢を見たといいます。その夢の中で白い布が首に巻き付き、息ができなくなってしまった若者は、恐怖のあまり目が覚めました。しかし目覚めた後も首には何かに触れられた感覚が残り、しばらくの間、首に違和感を覚え続けたそうです。
その後も同じような夢を見ることが続き、恐怖のあまり寝られなくなってしまった若者は、最終的に神社でお祓いを受け、ようやくその夢から解放されたといいます。
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