野鉄砲(のてっぽう)
「野鉄砲」の特徴と噂
見えない衝撃
野鉄砲は、目には見えないが強烈な衝撃や風圧を伴い、まるで何かに激しくぶつけられたかのような感覚がするのが特徴です。田畑や野原、山道などで突然襲われるようにして起こり、立っていられないほどの力で押し倒されることもあると言われています。
衝撃に遭った後は、振り返っても何も見えず、「ただ風が吹いただけだろう」と思う人もいますが、妙な気配や寒気を感じることが多いため、不気味がられています。
「見えない力」による押し倒し
野鉄砲の最大の特徴は、見えない何かが猛烈な力で人を押し倒すことです。まるで鉄砲の弾が当たったかのように一瞬で強い衝撃を受け、転倒してしまうことから「野鉄砲」という名前がつきました。
特に夜道で野鉄砲に遭遇すると逃げ場がなく、そのまま押し倒されてしまうとされ、霊的な力や怨念が関係しているのではないかと考えられています。
ひとたび遭うと不運が続く
野鉄砲に遭遇した人はその後しばらく不運に見舞われるとされ、体調不良や事故、金銭的なトラブルが続くといった噂もあります。野鉄砲は単なる自然現象ではなく、霊的な意味合いを持つとされるため、遭遇すると「何かの警告」と考えられています。
そのため、野鉄砲に遭った場合にはお祓いや浄化を行うよう勧められることが多いです。
夜の田畑や野原に出現しやすい
野鉄砲は主に夜の田畑や野原、山道といった人気のない場所で目撃されることが多いです。特に風の強い夜や霧が立ち込めるときに出やすいとされ、こうした場所や条件が重なると野鉄砲が出る可能性が高くなると恐れられています。
農村部では、夜遅くに田畑に出歩かないよう注意される理由の一つにもなっており、特に一人でいると狙われやすいとされています。
「野鉄砲を受けないための対策」
野鉄砲に遭遇しないようにするための迷信や対策として、塩を持ち歩くことが推奨されています。塩には悪霊を遠ざける力があると信じられており、野鉄砲もまた塩で避けることができるとされています。
また、野鉄砲に遭遇した場所を避けること、何かがぶつかったような不気味な感覚を覚えたらすぐにその場を離れることも対策とされています。
「野鉄砲」にまつわる怖い話
体験談 1:「夜の田畑での衝撃」
ある農家の男性が夜に田んぼを見回りに出かけたところ、突然、何かに強く押し倒されるような衝撃を受けました。周囲には誰もおらず、風もほとんど吹いていなかったため、不気味に思い、急いで帰宅しました。しかし、それ以来、体調を崩しがちになり、不運が続いたといいます。
彼の家族は「野鉄砲に遭ったせいかもしれない」と考え、お祓いをすることにしました。お祓い後は体調も戻りましたが、男性はその夜の体験を忘れられず、夜遅くに田畑に出ることは避けるようになったそうです。
体験談 2:「人気のない山道での体験」
ある登山者が人気のない山道を歩いていたとき、突然、背後から強い力で押され、転倒してしまいました。振り返っても誰もおらず、何が起こったのか全くわからないまま、恐怖でその場を離れました。
その後、彼は山中で道に迷い、ようやく下山できた時には日没を迎えていました。それ以来、彼は山道での異様な出来事を「野鉄砲の仕業ではないか」と疑うようになり、登山仲間にもその話を広め、同じ体験をした者もいたため、野鉄砲の噂がさらに強まりました。
体験談 3:「風のない夜に突然の衝撃」
ある若い女性が夜道を歩いていると、突然、見えない力に押されて転倒しました。風もない静かな夜で、道の真ん中で起きた出来事に、彼女は恐怖で立ちすくみました。体は無事だったものの、家に戻ってから不安な気持ちが続き、何度もその夜の出来事を思い返してしまいました。
それ以来、彼女は同じ道を通るのを避けるようになり、近隣でも同じような体験をした人の話が語られるようになりました。彼女は霊感の強い友人に相談し、友人から「塩を持ち歩くと良い」と助言され、それ以降は同じ体験をすることはなかったといいます。
本サイトに掲載されているすべての内容の著作権は運営者に帰属しております。
本サイトの掲載内容(画像、文章等)の一部及び全てについて、無断で複製、転載、転用、改変等の二次利用を固く禁じます。 上記著作権の無断複製、転載、転用、改変等が判明した場合は、法的措置をとる場合がございます。