日本の妖怪・幽霊

小豆洗い(あずきあらい)

「小豆洗い(あずきあらい)」は、日本の都市伝説や妖怪譚に登場する怪異で、主に川辺や水辺で「小豆を洗うような音」を立てて現れるとされる存在です。その名の通り、小豆を洗うような「ジャブジャブ」や「ザザーッ」という音を響かせながら、不気味に現れるため、特に夜の水辺では恐れられています。

「小豆洗い」の特徴と噂

小豆を洗うような音を立てる

小豆洗いは、見えないところで小豆を洗っているような音を立てることで存在を示します。この音は「シャリシャリ」「ザザーッ」といった水の中で小豆が擦れるような音とされ、川や沼、水たまりなどでその音が聞こえてくることが多いです。
音だけが聞こえてくるため、周囲を見回しても姿が見えないことがほとんどです。しかし、その音が近づいてくることで恐怖が増し、人々を不安にさせるといわれています。

水辺に現れる

小豆洗いは特に川辺や池、沼地などの水辺に現れることが多いです。特に、夜の静かな時間に水面から突然音が聞こえ始めるため、深夜に水辺を歩いている人々にとっては恐怖の対象です。
雨の多い季節や、水が豊富な場所で現れやすいとされ、田舎や山間部では「小豆洗いが出る」といって、夜に水辺へ近づくことを避ける風習があることもあります。

正体不明の存在感

小豆洗いは音だけで人を怖がらせることが多く、姿を見た人は少ないとされています。しかし、地域によっては「小さな老人の姿」や「髪の毛が伸びた小さな妖怪」として語られることもあり、実体があるのかないのかも不明なままです。
こうした正体不明の存在感が、小豆洗いの不気味さや不安感をより一層高めているといわれます。

「音に引き寄せられると危険」

小豆洗いの音に引き寄せられて水辺に近づくと、足を滑らせたり、誤って水に落ちるなどの危険があるとされており、実際に水難事故に結びつけられることもあります。特に夜中にその音に引き寄せられて水に入ると、命を落とすことがあるという警告もあります。
このため、夜に小豆洗いの音を聞いた場合は、すぐにその場を離れることが良いとされ、決して音の方向に向かってはいけないという教えが地域で語り継がれています。

呪いや不吉の前兆とされることも

小豆洗いの音を聞いた後に、悪いことが起きたり、不運に見舞われるという噂もあります。音を聞くと怪我をしたり、体調を崩す、家族に不幸が訪れるなど、不吉な前兆として語られることも多いです。
そのため、特に水辺で小豆洗いの音を聞くと、家に戻ってからお清めやお祓いをする人もいます。

「小豆洗い」にまつわる怖い話

体験談 1:「深夜の川辺での音」

ある若い男性が、夜に川辺を歩いていると「ザザーッ、シャリシャリ」と小豆を洗うような音が聞こえてきました。誰かが水辺で作業をしているのかと思い近づこうとしましたが、周囲には誰もおらず、不気味に感じてその場から離れました。しかし、音はどんどん大きくなり、背後から追いかけてくるような気配を感じたといいます。

恐怖で走って帰宅した彼は、その後しばらく夜に川辺へ行くことができなくなりました。地元の人に話すと「それは小豆洗いかもしれない」と言われ、家族にお祓いを勧められたといいます。

体験談 2:「池のほとりでの不気味な音」

ある女性が夜に池のほとりで散歩していたところ、突然「シャリシャリ…」という音が聞こえてきました。音のする方に目を凝らしてみましたが、何も見えません。気味が悪くなり、その場を離れようとすると、音がどんどん近づいてきたといいます。

怖くなって逃げ出しましたが、帰り道でもその音が耳から離れず、家に着いた後も何かがついてきているような気がして夜も眠れなかったといいます。その後、しばらく不運が続き、家族はその音が小豆洗いの呪いではないかと話していたそうです。

体験談 3:「田舎の小川での出来事」

ある家族が田舎に引っ越した際、子供が「夜になると川で誰かが小豆を洗っている」と話すようになりました。最初は親も冗談だと思っていましたが、実際に夜の川辺で「ジャブジャブ」と小豆を洗うような音が聞こえてくることがあり、次第に家族全員がその音に気づくようになりました。

音を聞いても決して川に近づかないようにと子供たちに伝え、家族も夜には川に近づかないようにしていますが、その音が不気味に聞こえてくると今でも恐怖を感じると言います。

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