山姥(やまうば)(やまんば)
「山姥」の特徴と噂
山中に住む不気味な老婆
山姥は、見た目は普通の老女ですが、不気味な雰囲気を持ち、山奥に隠れ住むとされます。山の小屋や洞窟などでひっそりと暮らし、時折、山を訪れる旅人や迷い込んだ人々に姿を現すと言われます。
山姥の見た目は様々で、やせ細った老婆や巨大な姿を持つ異形のものと描かれることもあり、長い髪や鋭い目つきが特徴的です。
人を襲う、または助けることがある
山姥は時には人を襲う存在として恐れられています。例えば、道に迷った旅人や山に入った子供に近づき、何らかの方法で襲いかかるという話が伝えられています。
しかし一方で、困っている人を助けたり、食事を与えたりと親切な行動を取る山姥もいます。優しい山姥と恐ろしい山姥が同じ山に住んでいるという伝承もあるため、出会う山姥によって運命が変わるとも言われます。
山姥の家に泊まると危険
山姥に誘われて彼女の家に泊まると、夜中に襲われるとされています。例えば、山姥の家で寝ていると、夜中に大きな包丁を持った山姥が襲ってくるという話があり、旅人が隙を見て逃げ出した、というエピソードが伝えられています。
山姥の家では、普通の食べ物を出してくれるように見えて、実は人肉や異様な料理が出てくるという話もあり、油断すると命を狙われるとされています。
「山姥に遭うと呪われる」
山姥に遭遇すると呪われたり、不運に見舞われるという噂もあります。特に、山姥と目が合うとその人は呪われてしまい、山を出ても不運が続いたり、体調を崩したりすると言われています。
また、山姥に近づいた者は「山姥の気配」に取り憑かれてしまい、夜な夜な夢に山姥が現れるなど、精神的な恐怖に悩まされるという話もあります。
山姥の気配や足音が聞こえることがある
山奥でひとりになると、山姥の気配を感じたり、足音や囁き声が聞こえることがあると言われます。特に霧が立ち込めた日の山中では、木々の間から覗き込むような視線や、不気味な気配を感じることが多いとされ、これが山姥の仕業とされます。
足音がだんだん近づいてくる感覚や、物音がついてくると感じる場合もあり、無視して歩き続けると無事に帰れると言われていますが、恐怖に駆られて振り返ると山姥に取り憑かれるともいわれます。
「山姥」にまつわる怖い話
体験談 1:「夜中の山姥の訪問」
ある登山者が山中で遭難しかけ、偶然見つけた古びた小屋に泊まることにしました。夜中、妙な気配を感じて目を覚ますと、小屋の入口に白髪の老女が立っており、じっとこちらを見ていたそうです。登山者が怖くなって動けなくなっていると、その老女は「寝ている人間は食べがいがあるね」と囁きました。
恐怖で身動きが取れず、翌朝まで耐えた登山者は、夜が明けるとすぐに小屋から逃げ出しましたが、それ以来、夜になると夢の中で山姥の姿が現れ、目覚めた時には冷たい汗をかいているといいます。
体験談 2:「道案内をしてくれた山姥」
ある若者が山で道に迷い、途方に暮れていたところ、優しそうな老女が現れ、「一緒に行けば案内してあげる」と言ってくれました。若者は安心して彼女についていきましたが、だんだんと道が険しくなり、不安になって後ろを振り返ると、彼女の姿が消えていたといいます。
その後も山を彷徨いましたが、なぜか誰もいないはずの道から「まだ帰らないのかい?」と囁く声が聞こえ、最終的には朝日が出て方向が分かり、なんとか下山できたそうです。彼はその日以来、山へ入ることを避けるようになったと話しています。
体験談 3:「夢の中に現れる山姥」
ある女性が山道で古びた山小屋を見つけ、好奇心から中を覗いてみたところ、奥から不気味な老婆が現れました。驚いた女性はその場を去りましたが、その夜から毎晩のように夢の中にその老婆が現れるようになり、「山へ帰っておいで」と囁かれるようになったといいます。
夢は次第に鮮明になり、夜ごと老婆が彼女に近づいてくるため、恐怖で眠れなくなった彼女は、最終的に神社でお祓いを受けることにしました。その後は老婆の夢を見ることはなくなりましたが、今でも山へ行くのが怖くなったと話しています。
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