消える乗客

「消える乗客」は、日本の都市伝説の一つで、バスや電車、タクシーなどの公共交通機関で乗客が突然姿を消すという不思議な話です。この都市伝説では、特に夜中や人気の少ない路線で起こることが多く、乗客がいつの間にかいなくなる、もしくは乗った覚えのない乗客が降りた後に謎の痕跡が残ることから、怪奇現象として語り継がれています。

「消える乗客」の特徴と噂

誰もいないはずの席に人が座っている

バスや電車で、最初は誰もいなかったはずの席に人が座っているのを見かけ、気づいた時には消えているという話が多いです。座席に荷物や霧のような跡が残っていることもあり、車内にいた他の乗客や運転手もその不気味な現象に気づくことが多いとされています。

夜間の運行中に特に現れる

「消える乗客」は、特に夜中の運行中に現れることが多いです。終電近くや深夜のバス、タクシーなどで遭遇するケースが多く、静寂の中での不可解な現象が一層の恐怖を引き起こします。深夜の運転中、運転手がルームミラーで確認すると、いつの間にか座席に乗客が増えていることがあるといわれます。

降車した後に痕跡が残る

消えた乗客が降りた後に、座席に湿った痕跡が残っている、髪の毛や衣類の破片が残されているといった噂もあります。これが「幽霊が確かに存在した証拠」だとされ、翌朝まで痕跡が残っていることもあるといわれます。こうした痕跡に気づいた他の乗客や運転手は、不気味に思いその座席を避けるようになるといいます。

話しかけると無反応、または不自然な反応

「消える乗客」は、他の乗客が話しかけても無反応であることが多いです。仮に話しかけると、見当違いな返答や無言でじっと見つめるだけといった、現実感のない反応が返ってくることがあるとされます。こうした挙動に気づいた人は恐怖を感じ、その後に目を離すと消えていることが多いといいます。

事故や不幸の前兆とされる

「消える乗客」が現れると、その後に不吉な出来事が起こるとされています。例えば、バスや電車が故障する、交通事故が発生するなど、何かしらの災いが続くことが多いため、この乗客が現れることが「事故の前兆」だと恐れられています。そのため、夜間の運行中に消える乗客を目撃した場合、運転手や乗客が不安な気持ちになることが多いです。

「消える乗客」にまつわる怖い話

体験談 1：「終電の電車での消失」

ある会社員が終電の電車に乗っている際、向かいの席にいつの間にか一人の女性が座っていました。話しかけようとすると彼女は無言で見つめてきたため、不気味に感じた彼は視線を逸らしましたが、再び見たときには女性は消えていました。翌日、同じ電車が停車中に事故が起こり、彼は「前日の消える乗客が事故の前兆だったのではないか」と恐れを感じたといいます。

体験談 2：「深夜バスの乗客」

ある運転手が深夜バスを運行していた際、ルームミラーで後部座席に一人の女性が乗っているのに気づきました。終点に着いて振り返ると誰もおらず、座席には濡れた跡だけが残されていました。恐怖を感じた運転手は翌日もそのバスを運転しませんでしたが、後日同じバスで事故が発生したと聞き、ますます不気味さを感じたといいます。

体験談 3：「タクシーの乗客の痕跡」

あるタクシー運転手が夜中に女性客を乗せましたが、目的地に着いた瞬間、客が消えていることに気づきました。座席には長い髪の毛が散らばっており、運転手はそのまま帰宅しましたが、その後も数日間、タクシー内に髪の毛が残り続けていたといいます。以来、夜間に一人で乗車するのが怖くなったそうです。